思うがままにつづったこころの中。その2
+
あらゆるジャンルの二次Novel。まずはお知らせをチェック!
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Ferret’s Tail -3-
「どのくらい効くかわからないけれど……」
ハーマイオニーは自分の部屋へ連れて帰った白イタチをベッドの上に乗せ、ローブの胸元から杖を取り出した。さっき暴れたせいで疲れ果てて小さく息をする体にそれを向ける。
「お願いだからじっとしててね。……Episkey」
杖の先が仄かに白い光を放ち、白イタチの体がぶるぶるっと震えた。それきり動かない。
「ちょっと、大丈夫!?」
ハーマイオニーは杖を置いてその白い毛並みにゆっくり手を伸ばす。その手が体に触れる直前、白イタチはぱっと飛び起きて青い目でハーマイオニーを仰いだ。ハーマイオニーはその目をきょとんと見つめて、はぁ、と息を吐いた。
「もう、びっくりさせないで。何か起こったかと思ったじゃない」
胸を撫で下ろすハーマイオニーの目の前、彼女のベッドの上で白イタチは今まで弱っていたのが嘘のように歩き回っていた。枕元まで行ったかと思うとくるりと尻尾をくねらせて足元へ向かう。途中で毛布に足を取られてつんのめったが、すぐに何事もなかったように起き上がり、また歩き始める。ハーマイオニーは思わず吹き出してしまった。
「あなた、やっぱり似てるわね」
ハーマイオニーが呟くと、白イタチはちょっと彼女に目を向けてからベッドの端へ移動した。どうやらそこから床へ飛び降りたかったようだが、さっき階段から転げ落ちた記憶が残っているらしい。少しためらう仕草を見せた。ハーマイオニーはくすりと笑って白イタチを抱きあげる。自分もベッドに腰を下ろすと、膝の上に白イタチを乗せてその背中にゆっくり手を滑らせた。
「そういう臆病なところとか、矜持が高いところとか、本当にそっくり。これがマルフォイだったらすごくムカつくところだけど……あなただとなんだか可愛いわね」
にっこり笑う。白イタチは一瞬目をぱちくりさせると体を丸めて顔を埋めてしまった。
「でも最近思うの。マルフォイは強がってるんじゃないのかな、って。そんな風にいつも完璧な自分を装っていたらきっと疲れるわ。彼には全てを見せられるような、そんな人がいるのかしら。家柄に縛られずに彼を見てくれるような人が………って私、また色々喋っちゃった。どうも相手があなただと口が軽くなるみたい」
ハーマイオニーは白イタチを撫でる手は止めず、でも照れを隠すようにわずかに頭を振った。対する白イタチはされるがままにしている。少しの間そのまま白いふわふわな毛の感触を楽しんでいると、談話室が騒がしくなってきた。
「あら、もうみんな帰ってきたみたいね。あなたはどうする? このままここにいてもいいけど……クルックシャンクスが怖がらせちゃうかもしれないわ」
白イタチはその名前にぴくっと反応するとじたばたと暴れ出した。
「やっぱりね。じゃあ中庭辺りまで連れていってあげるわ。乗りなさい」
ハーマイオニーが差し出した手に素直に乗る。あんまり暴れないでね、と言ってハーマイオニーは談話室へ続く扉を開けた。談話室を通り抜ける間、白イタチに気付いたグリフィンドールの面々が声をかける。もちろんハリーとロンも例外ではない。
「そのイタチ、どうしたの?」
そうハリーが問いかけると、ロンが続く。
「あの猫が手に負えなくなったから乗り換えたんだろ」
「あら、失礼しちゃう。クルックシャンクスはれっきとした私の大切なペットです!この白イタチはさっき廊下でうずくまってるのを見つけて怪我を治してあげたの。今から外に放しにいくところなのよ」
「ふーん……あれ?ちょっと待てよ。この目……」
「ごめんなさい。急いで行かないと外出禁止時間に間に合わないから」
ロンの言葉を無理やり遮って太った婦人の肖像画をくぐった。そこでふぅ、と息を吐く。言葉の続きはなんとなく予想がついた。予想がついたから思わず遮って逃げるように出てきてしまった。(だからそんなことありえないってば)無意識に早くなっていた鼓動を落ち着けるように白イタチの背を撫でる。少し震える指に気付いてか、白イタチがハーマイオニーの顔を見上げた。
「ね、そんなことありえないわ」
優しい目で手の上の白い生き物に笑いかけると、ハーマイオニーは月の輝く中庭へと向かった。
[←Back] [Next→]
***
ベッドの上をちょこちょこ歩きまわるイタチちゃんに、
クルックシャンクスっていう言葉にビビっちゃうイタチちゃん……あぁ可愛い。(ぇ)
基本的にハーちゃんはドラコ氏単体はそんなに嫌ってない設定。
……ドラハにはなんて都合のいい設定。爆
[←Back] [Next→]
***
ベッドの上をちょこちょこ歩きまわるイタチちゃんに、
クルックシャンクスっていう言葉にビビっちゃうイタチちゃん……あぁ可愛い。(ぇ)
基本的にハーちゃんはドラコ氏単体はそんなに嫌ってない設定。
……ドラハにはなんて都合のいい設定。爆
PR
この記事にコメントする