思うがままにつづったこころの中。その2
+
あらゆるジャンルの二次Novel。まずはお知らせをチェック!
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「……何よ?」
視線を感じて、ハーマイオニーは読んでいた本のページをめくる手を止めた。右隣を見上げると、視線の先にはほんの少しの驚愕を秘めたアイスブルーの瞳。ハーマイオニーの茶色の瞳とかち合ったそれは、ふるると揺れて視線を逸らした。
「いや……」
何でもない、というふうに答えるドラコに、気付かれたかな、とハーマイオニーの胸が跳ねる。少し早くなるそれがばれないように、ハーマイオニーは声を落とし、本に視線を戻した。
「…嘘よ、貴方さっきから見てたじゃない」
「……」
「何なのよ。おかげで集中でき…」
「ハーマイオニー」
文句の言葉を遮ってドラコがハーマイオニーの名前を呼んだ。その強い声にハーマイオニーの肩がピクリと揺れる。同時にすっと白い指が頬へ伸びてきて、俯くハーマイオニーの顔を無理矢理自分の方に向けさせた。
「な、何っ…」
もう一度かち合ったアイスブルーの瞳から逃れたかったのに、頬に添えられた彼の手がそれを許さない。さっき自分は逃げたくせにずるい、とその瞳を睨む。
でも次に聞こえた声にハーマイオニーはぽっと頬を染めた。
「お前もしかして、化粧してる…か?」
わかりやすすぎる彼女の反応に、ドラコは口元を綻ばせた。
「やっぱり……」
「ち、違うの!」
ドラコの反応に何を思ったのか、ハーマイオニーは必死で否定する。恥ずかしさからその目には零れそうな涙が溜まっていく。
「ラベンダーたちに無理矢理させられて……私はいやだって言ったのよ? でもやっぱり断るべきだったわ!どうせ似合ってな…」
「綺麗だ」
「え……」
「すごく、綺麗だ」
ドラコがふわりと笑った。その姿にハーマイオニーは思わず見とれてしまう。
「…っ」
「何?」
「やっ…だって急にそんなこと言うから」
ハーマイオニーの瞳から零れた涙をドラコの指がぬぐう。そのまますっと顔を寄せると、濡れた瞼にキスを落とした。
「本当のことだ」
目元に落とされたドラコの言葉に、ハーマイオニーは睫毛を震わせる。そんな彼女の反応を見たドラコは、何かを思いついたようにニヤリと笑った。不幸なことに、それはハーマイオニーの視界には入らない。
「あぁ、でもせっかく綺麗にしてもらって悪いが…」
ドラコはグロスが薄くのった唇にすっと指を這わせると、
「落ちてしまうな」
「…っ!」
とっさに身を引いたハーマイオニーの頭を引き寄せて、口付けた。
いつもと違うきみだったから
(ただし僕の前だけにしろ)
******
ヤマなしオチなしごめんなさい。
かなり前に、もっと長いお話の一部になる予定で書いたドラハ。
色々面倒だったのでこの場面だけ切りとってしまいました。
甘いドラハ!珍しいね!
PR
君とここに二人で来るのは去年のクリスマス以来。あれから半年季節が進んだ今は、夜の風も心地いいくらいになっていた。もうマフラーを二人で分けあうことも、ローブで囲って君を温めることも、必要ない。僕らは二人で中庭に置かれたベンチに座り、月の光は半年前と同じように僕らに降り注いでいた。
ここは二人の思い出の場所だから、君が少し緊張しているだろうこともわかった。見えなくてもそんな気がした。きっと君は聡いから、僕がこの1年やってきたことも、そしてこれから何をするつもりなのかも、なんとなく分かっているのだろう。
僕ははぁっと一つ溜め息をつくと、漸く口を開いた。
「ハーマイオニー」
告げた名前は決して白く溶けることはなく、ただ夏の夜空に響いていく。
「僕はもう…」
君が隣でぴくっと肩を揺らしたが、それには気付かないふりをした。固より、君の声を聞く気はなかった。口を挟まれる前に、一気に言ってしまわないと意味がなかった。
「ここには戻らない。どう抗っても無理だったみたいだ。だからもう君とは会…」
「ドラコ」
小さく響いた君の声に遮られて、僕はひゅっと息を呑んだ。君の手が僕の口に伸びてきて、もうこれ以上何も言えないようにと指を立てる。
「会わないなんて言わないで」
その手が優しく頬をすべる。
「貴方は、独りじゃないわ」
ふわりと微笑みを落とした君の声は、それでも少し震えていた。そうしてそのまますぅっと身を乗り出すと、小さなキスを落とした。ほんの一瞬ふれただけなのに、そこから温かさが伝わってきて、僕は知らず詰めていた息を吐いた。
「……こんなのは僕の望んだことじゃないんだ」
「うん」
「絶対にヤツの言い成りにはならないって」
「わかってる」
「でも……まさか母上を人質に取られるなんて思わなかった」
「…そうだったの」
言うつもりのなかったことまで零していた。ぽつりぽつりと吐きだす僕の言葉に、君はただ相槌を打つだけだった。
「君と僕の繋がりが分かれば、ヤツらの標的に君も加わる」
「そうね……でも自分の身は自分で守るわ。私は逃げ回るお姫様じゃないの」
ハリーの傍にいたらどっちにしろ同じよ、と笑って付け加える。僕はその名前に少し顔を歪ませたけれど、君はまるで気付かない。
「会わないなんて言われる方がよっぽど苦しいわ」
その声はあまりに切ない。それに…という君の声と共にぎゅっと抱きしめられた。
「貴方は私が絶対に助け出す。独りじゃないわ、ドラコ」
「それじゃまるで僕がお姫様だな」
小さく笑って、閉じ込めるように君の背に手を回した。その温もりを刻み込むように強く目を瞑る。二度も奏でられた君の言葉に、瞼の裏が熱くなるのがわかった。
明日目覚めたときに僕がいないと知ったら、君は泣き叫ぶだろうか。きっと何一つ知らないフリであの二人に笑いかけ、一人きりの部屋で泣くのだろう。
ハーマイオニー。
僕は君に助けられるために行くんじゃない。君を助けるために行くよ。
最後にどうしても言えなかった想いを―――
ごめん/君に謝りたかったこと
(―――どうか許して)
******
5年生設定ドラハ。ちょいと捏造。出来るだけ短い作品を作りたかったのです。
どんな話にするか全く決めてなかったのですが、結果的に悲恋になってしまいましたーごめんなさい。
ハー子たちの戦いを少しでも楽にするためにドラコは行くのです。それを言えなくてごめんね、って。
あと個人的に、ドラコにはナルシッサを大事にしてほしいです。
ほら、君はまたそうやって微笑むんだ。
相手は僕じゃない。
その笑顔は、決して僕を見ない。
僕を見て?
それが駄目なら、無理にでも見させてやるよ。
The Desirable Eyes
「ハーマイオニー、掲示板見た? 今週末ホグズミードに行けるって!」
「あら、そうなの? ……貴方もちろん行けるわよね、ロン?」
「あー……大丈夫! レポートはちゃんと終わらせるよ!」
「先に言っておきますけど、私を頼っても無駄ですから」
「え、嘘だろハーマイオニー、頼むよー……」
「だーめ!!」
グレンジャーがクスクスと笑う。
笑い声が耳につく。
イライラする。
一番遠いテーブルで彼女が笑っている。
物理的にも精神的にも、彼女は僕から遠く離れていた。
近づけるはずもなかった。
その笑顔は他のヤツに向けられる。
こっちを向いてよ?
どんな風でもいいから僕を見て?
その目に憎しみが込められていても、構わないから。
**********
ちょうどホグズミードに行く前日だった。
こんな会話を耳にしたから。
「ハーマイオニー、これからクィディッチの練習入っちゃったんだ。だから、その……」
一瞬グレンジャーの表情が曇る。
しかしウィーズリーはそれに気付いていないようだった。
「……仕方ないわね」
グレンジャーが笑顔を作って言う。
「レポートでしょう? この前も言ったけど、丸写しは駄目よ。
必要な本を借りて談話室で待ってるから、練習終わったらやりましょう。
ちょっとは手伝ってあげるわ」
「あ、ありがとうハーマイオニー! じゃあ行ってくる!」
チャンスだ、なんて思ってしまって。
悪いのは赤毛のほう。
彼女にあんな顔をさせるな。
大切な彼女ならば、ちゃんと守れ。
そう、僕はスリザリンだから。
狙った獲物は決して逃がさない。
図書館へ向かうグレンジャーを、そうと気付かれないように追いかけた。
**********
図書館にいる人は少なかった。
どうせ明日はホグズミードだし、天気もいいし……
図書館に用のあるものなんて、そういるはずもなかった。
グレンジャーは目的の本がどこにあるか全て把握しているようで、
何の迷いもなく一番奥の本棚へと向かう。
急いで、でも音は立てないように追いかけて、本棚の向こうへ回り込んだ。
彼女は上の方にある本を取ろうとしているようだった。
しかしいくら手を伸ばしても背伸びしても届かない。
「もう……なんで違うところに入ってるのよ……」
「これか?」
僕は後ろからひょいと手を伸ばして、恐らく目的の本だろうと思われるのを取り出した。
「え……あ、マルフォイ……」
彼女は一瞬怪訝な顔をしたが、
「珍しいのね、どうもありがとう」
機械的にそう言うと、僕の差し出した本を手に取った。
僕の脇を抜けて帰ろうとするその腕を掴む。
「ちょっと……何するの? 痛いから離して」
「もっと気持ちのこもった礼をしてほしいものだな」
「……貴方にはそれで十分よ。貴方こそ、普段から礼儀の欠片もないじゃない」
「それは心外だな。たった今、グレンジャーのために本を取ってやったのに」
腕を掴む力を少し強くすると、グレンジャーは顔をしかめた。
「どういうつもり?」
「何のことかな」
「なにか……裏があるんでしょう?」
「……へぇ、さすが学年一の優等生……」
にやりと笑って腕を強く引き、本棚と僕の間に彼女の身体を閉じ込めた。
「なかなか鋭いじゃないか」
「何……するの」
グレンジャーの目を見る。
じっと見ていると、彼女が顔を逸らした。
気に入らない。
「こっち向けよ」
「嫌」
彼女のあごに手をかけて、無理矢理僕の方に向ける。
「僕を見ろって言ってるだろ」
「一体何のつもり…っ」
煩いその口を僕のそれで塞いでやった。
逃げ惑う彼女の舌を追いかけて絡めとる。
彼女の震える手から、さっき渡したばかりの本が滑り落ちる。
長い長いキスの後、名残惜しむようにちゅっと音を立てて唇を離した。
彼女の身体から力が抜けた。
「っはぁ……どうしてっ……」
涙目のグレンジャーを一瞥する。
「どうして? イライラするんだよ、お前の笑顔を見てると」
「それ、だけ…?」
「あぁそれだけだ。……あ、あと」
ふと思い付いて、まだ握っていた彼女の腕を更に強く握った。
「痛っ」
「そういう顔、最高」
「……っ」
耳元で囁く。彼女が小さく息を呑んだ。
彼女の手を頭の上でまとめて、その白い首筋に舌を這わせる。
それだけで彼女は震えた。
「やっ!」
「静かにしておいた方がいいんじゃないか? ここは図書館だし……誰か来たら困るよな」
「……っ」
もう一度首筋を辿りながら、制服の釦をひとつ外した。
鎖骨のちょうど上あたり、制服を着ていれば見えないところを強く吸い上げる。
「……ぁ…っ」
唇を離せば白い首筋に残る紅い痕。
「何……っ」
「明日はホグズミードだって?
こんなの愛しのウィーズリーに見られたらどうなるだろうなぁ。
あぁ、それとも今夜の談話室で見つかるかな……」
パシッ
「最低っ!!」
・
・
・
・
・
叩かれて、逃げられた。
僕は暫くその場に立ち尽くす。
じんじんと痛む左頬に触れながら、自嘲的な笑みを漏らした。
最後に僕を見たグレンジャーの目には望み通り、憎しみが込められていた。
そのはずなのに、この心はちっとも満足しない。
初めてグレンジャーにまともに殴られたあの時より、何倍も痛かった。
本棚に寄りかかって、そのままズルズルと座り込む。
グレンジャーが借りるはずだった本が手に当たった。
それを引き寄せて握り締める。
「僕は一体……何をしているんだ……」
なぜか涙が溢れて止まらなかった。
***Fin.***
加筆修正あり。
ロンハー前提ドラハー……黒っ!ドラコ黒っ!!しかも微裏な気がしてならない…
でも書いてるうちにちょっと楽しくなってしまった私はオカシイと思う(汗)
特に加筆した「その顔、最高」のあたりでテンション上がってしまいました。
久しぶりに読んだらちょっと続き書いてみたくなったな……。
相手は僕じゃない。
その笑顔は、決して僕を見ない。
僕を見て?
それが駄目なら、無理にでも見させてやるよ。
The Desirable Eyes
「ハーマイオニー、掲示板見た? 今週末ホグズミードに行けるって!」
「あら、そうなの? ……貴方もちろん行けるわよね、ロン?」
「あー……大丈夫! レポートはちゃんと終わらせるよ!」
「先に言っておきますけど、私を頼っても無駄ですから」
「え、嘘だろハーマイオニー、頼むよー……」
「だーめ!!」
グレンジャーがクスクスと笑う。
笑い声が耳につく。
イライラする。
一番遠いテーブルで彼女が笑っている。
物理的にも精神的にも、彼女は僕から遠く離れていた。
近づけるはずもなかった。
その笑顔は他のヤツに向けられる。
こっちを向いてよ?
どんな風でもいいから僕を見て?
その目に憎しみが込められていても、構わないから。
**********
ちょうどホグズミードに行く前日だった。
こんな会話を耳にしたから。
「ハーマイオニー、これからクィディッチの練習入っちゃったんだ。だから、その……」
一瞬グレンジャーの表情が曇る。
しかしウィーズリーはそれに気付いていないようだった。
「……仕方ないわね」
グレンジャーが笑顔を作って言う。
「レポートでしょう? この前も言ったけど、丸写しは駄目よ。
必要な本を借りて談話室で待ってるから、練習終わったらやりましょう。
ちょっとは手伝ってあげるわ」
「あ、ありがとうハーマイオニー! じゃあ行ってくる!」
チャンスだ、なんて思ってしまって。
悪いのは赤毛のほう。
彼女にあんな顔をさせるな。
大切な彼女ならば、ちゃんと守れ。
そう、僕はスリザリンだから。
狙った獲物は決して逃がさない。
図書館へ向かうグレンジャーを、そうと気付かれないように追いかけた。
**********
図書館にいる人は少なかった。
どうせ明日はホグズミードだし、天気もいいし……
図書館に用のあるものなんて、そういるはずもなかった。
グレンジャーは目的の本がどこにあるか全て把握しているようで、
何の迷いもなく一番奥の本棚へと向かう。
急いで、でも音は立てないように追いかけて、本棚の向こうへ回り込んだ。
彼女は上の方にある本を取ろうとしているようだった。
しかしいくら手を伸ばしても背伸びしても届かない。
「もう……なんで違うところに入ってるのよ……」
「これか?」
僕は後ろからひょいと手を伸ばして、恐らく目的の本だろうと思われるのを取り出した。
「え……あ、マルフォイ……」
彼女は一瞬怪訝な顔をしたが、
「珍しいのね、どうもありがとう」
機械的にそう言うと、僕の差し出した本を手に取った。
僕の脇を抜けて帰ろうとするその腕を掴む。
「ちょっと……何するの? 痛いから離して」
「もっと気持ちのこもった礼をしてほしいものだな」
「……貴方にはそれで十分よ。貴方こそ、普段から礼儀の欠片もないじゃない」
「それは心外だな。たった今、グレンジャーのために本を取ってやったのに」
腕を掴む力を少し強くすると、グレンジャーは顔をしかめた。
「どういうつもり?」
「何のことかな」
「なにか……裏があるんでしょう?」
「……へぇ、さすが学年一の優等生……」
にやりと笑って腕を強く引き、本棚と僕の間に彼女の身体を閉じ込めた。
「なかなか鋭いじゃないか」
「何……するの」
グレンジャーの目を見る。
じっと見ていると、彼女が顔を逸らした。
気に入らない。
「こっち向けよ」
「嫌」
彼女のあごに手をかけて、無理矢理僕の方に向ける。
「僕を見ろって言ってるだろ」
「一体何のつもり…っ」
煩いその口を僕のそれで塞いでやった。
逃げ惑う彼女の舌を追いかけて絡めとる。
彼女の震える手から、さっき渡したばかりの本が滑り落ちる。
長い長いキスの後、名残惜しむようにちゅっと音を立てて唇を離した。
彼女の身体から力が抜けた。
「っはぁ……どうしてっ……」
涙目のグレンジャーを一瞥する。
「どうして? イライラするんだよ、お前の笑顔を見てると」
「それ、だけ…?」
「あぁそれだけだ。……あ、あと」
ふと思い付いて、まだ握っていた彼女の腕を更に強く握った。
「痛っ」
「そういう顔、最高」
「……っ」
耳元で囁く。彼女が小さく息を呑んだ。
彼女の手を頭の上でまとめて、その白い首筋に舌を這わせる。
それだけで彼女は震えた。
「やっ!」
「静かにしておいた方がいいんじゃないか? ここは図書館だし……誰か来たら困るよな」
「……っ」
もう一度首筋を辿りながら、制服の釦をひとつ外した。
鎖骨のちょうど上あたり、制服を着ていれば見えないところを強く吸い上げる。
「……ぁ…っ」
唇を離せば白い首筋に残る紅い痕。
「何……っ」
「明日はホグズミードだって?
こんなの愛しのウィーズリーに見られたらどうなるだろうなぁ。
あぁ、それとも今夜の談話室で見つかるかな……」
パシッ
「最低っ!!」
・
・
・
・
・
叩かれて、逃げられた。
僕は暫くその場に立ち尽くす。
じんじんと痛む左頬に触れながら、自嘲的な笑みを漏らした。
最後に僕を見たグレンジャーの目には望み通り、憎しみが込められていた。
そのはずなのに、この心はちっとも満足しない。
初めてグレンジャーにまともに殴られたあの時より、何倍も痛かった。
本棚に寄りかかって、そのままズルズルと座り込む。
グレンジャーが借りるはずだった本が手に当たった。
それを引き寄せて握り締める。
「僕は一体……何をしているんだ……」
なぜか涙が溢れて止まらなかった。
***Fin.***
加筆修正あり。
ロンハー前提ドラハー……黒っ!ドラコ黒っ!!しかも微裏な気がしてならない…
でも書いてるうちにちょっと楽しくなってしまった私はオカシイと思う(汗)
特に加筆した「その顔、最高」のあたりでテンション上がってしまいました。
久しぶりに読んだらちょっと続き書いてみたくなったな……。
Call My Name
「だーめ!!」
グレンジャーにいつも通り会って、
グレンジャーにいつも通りキスしようとしたら、
拒まれた。
普通に、焦る。
…嫌われた?
「グレンジャー、一体どうしたんだ?」
「『ハーマイオニー』」
「え?」
「だから、ハーマイオニーって呼んで?
名前で呼んでくれたらキスしてもいいって言ってるの」
「ちょっ、……何だって?」
「だって貴方、いつまでたってもファーストネームで呼んでくれないんだもの。
私はちゃんとドラコって呼んでるのに。
だから決めたの! 貴方がハーマイオニーって呼んでくれるまでキス禁止!!」
そういって人差し指を突きつけるグレンジャーの顔には満面の笑み。
…さてどうする。
「そういうことだから。よろしくね? マルフォイ」
ついでにファミリーネームで呼ばれた。
完全に遊ばれている。
どうするどうするどうする。
彼女をハーマイオニーと呼ぶのは
恥ずかしい。
恥ずかしいけどそれ以上に
彼女に「キス禁止!」と言われたのが。
それだけで動揺してしまう、それだけ彼女に夢中になってしまった自分が。
僕らしくなくて。
悔しい。
となればどうするか……答えは一つ。
彼女のその得意げな顔も、もうおしまい。
軽く咳払いをして見上げた。
にやりと笑って一言。
「ハーマイオニー?」
「っ!!」
ほら、思った通り。
彼女の顔がぽっと赤く染まる。
「ハーマイオニー」
「きゃっ」
ついでに彼女を抱き寄せた。
名前で呼んだんだから、僕の思い通りにさせてもらう。
・
・
・
「ちょっ…もう! 何ですぐに言うこときくのよ!」
「キスしたかったから。
ついでに言っておくが、あんなことで僕に勝てると思ったら大間違いだな」
「…だって、こうでもしないと一生呼んでくれないと思ったんだもの」
「ならいくらでも呼んでやる。
…でもそんなに呼んだら、キスじゃ足りないだろうな」
「ちょっ、ドラコっ!~~~!!」
ハーマイオニー。
なんていくらでも呼んでやるよ。
それで君が僕の傍にいてくれるなら。
君の笑顔を一つでも多く見られるなら。
『君のいない未来』という存在を、一瞬でも忘れられるなら………
***Fin.***
前サイトの拍手。「名前で呼んでよ」というだけのお話。
結局ハー子はドラコに敵わないってことです。
どうしてもシリアス気味で終わってしまうドラハ……。
若干の加筆修正あり。
「だーめ!!」
グレンジャーにいつも通り会って、
グレンジャーにいつも通りキスしようとしたら、
拒まれた。
普通に、焦る。
…嫌われた?
「グレンジャー、一体どうしたんだ?」
「『ハーマイオニー』」
「え?」
「だから、ハーマイオニーって呼んで?
名前で呼んでくれたらキスしてもいいって言ってるの」
「ちょっ、……何だって?」
「だって貴方、いつまでたってもファーストネームで呼んでくれないんだもの。
私はちゃんとドラコって呼んでるのに。
だから決めたの! 貴方がハーマイオニーって呼んでくれるまでキス禁止!!」
そういって人差し指を突きつけるグレンジャーの顔には満面の笑み。
…さてどうする。
「そういうことだから。よろしくね? マルフォイ」
ついでにファミリーネームで呼ばれた。
完全に遊ばれている。
どうするどうするどうする。
彼女をハーマイオニーと呼ぶのは
恥ずかしい。
恥ずかしいけどそれ以上に
彼女に「キス禁止!」と言われたのが。
それだけで動揺してしまう、それだけ彼女に夢中になってしまった自分が。
僕らしくなくて。
悔しい。
となればどうするか……答えは一つ。
彼女のその得意げな顔も、もうおしまい。
軽く咳払いをして見上げた。
にやりと笑って一言。
「ハーマイオニー?」
「っ!!」
ほら、思った通り。
彼女の顔がぽっと赤く染まる。
「ハーマイオニー」
「きゃっ」
ついでに彼女を抱き寄せた。
名前で呼んだんだから、僕の思い通りにさせてもらう。
・
・
・
「ちょっ…もう! 何ですぐに言うこときくのよ!」
「キスしたかったから。
ついでに言っておくが、あんなことで僕に勝てると思ったら大間違いだな」
「…だって、こうでもしないと一生呼んでくれないと思ったんだもの」
「ならいくらでも呼んでやる。
…でもそんなに呼んだら、キスじゃ足りないだろうな」
「ちょっ、ドラコっ!~~~!!」
ハーマイオニー。
なんていくらでも呼んでやるよ。
それで君が僕の傍にいてくれるなら。
君の笑顔を一つでも多く見られるなら。
『君のいない未来』という存在を、一瞬でも忘れられるなら………
***Fin.***
前サイトの拍手。「名前で呼んでよ」というだけのお話。
結局ハー子はドラコに敵わないってことです。
どうしてもシリアス気味で終わってしまうドラハ……。
若干の加筆修正あり。
Angels and Heroes
雪が止んだ。
あたりに広がったのは白く染まったホグズミードの町並み。
「はぁぁ…寒っ」
ハーマイオニーは息を吐いたが、それはまわりの白に溶けて消えていった。
ここは店が立ち並ぶ通りから少し外れた所で、人影は全くない。
それがハーマイオニーの心を余計と淋しくさせた。
「ジニーも行っちゃったし…」
一緒に来たジニーは、ついさっきデートの時間だと言って去ってしまった。
「仕方ないわよね」
ハリーとロンは、今日はいない。
こんなときに限って、宿題に追われている。
もう毎回のことだから、今回ばかりは、と二人を置いてきたのだった。
「でもつまんない…」
「珍しいな」
「え?」
聴こえるはずのない独り言への反応に、ハーマイオニーは振り返った。
「マルフォイ…」
そこにいたのは漆黒のコートに身を包んだドラコ。
彼のシルバーブロンドは、白い雪の世界でもよく映えている。
ハーマイオニーは反射的に眉をひそめた。
「珍しい、って何が?」
「独りでいること」
「あぁ……色々あるの。貴方には関係ないわ」
「ふぅん」
それだけで何も言わないドラコに、ハーマイオニーはくぃと首を傾げる。
「貴方こそ珍しい」
「独りでいることか?」
「それもあるけど……口数が少ないわ」
「まぁな、色々あるんだ」
ドラコは俯いて微かに笑う。
「………」
少しの沈黙の後。
ハーマイオニーはくるりと方向転換して、橋へと足を進めた。
欄干に手をかけて、遥か下方を流れる川を追いかける。
キシリ、と小さな音がした。
「…変な感じ」
「何がだ?」
「いつもイラッとするのよ。人を見下したような貴方の笑顔」
「あぁそう」
「でも今日は違う。…そういう顔、出来るとは思わなかった」
「酷い言われようだな。普通に笑う時だってある」
今度はクスリと笑う。
「滅多に見せないけどな」
そう言ってドラコも橋へ歩き出した。
ハーマイオニーが足音に気付いて顔だけで振り向く。
「じゃあ余計に変だわ」
キシリ、という音はドラコの足音にかき消された。
「どうしてそんな顔、マグル生まれの私に見せてくれるのかしら?」
「…それは」
ドラコがためらいがちに言葉を落とし、顔を上げたその時だった。
バリバリッという木の裂ける音。
ドラコの足が止まる。
まるで誰かが時を操る魔法をかけたように。
彼の目の前で、ゆっくりと、ハーマイオニーの身体が傾く。
彼女の身体が、前のめりに倒れていく。
ドラコはそこで状況を理解した。
ハーマイオニーの驚いた顔が橋の下へ消えていく。
次の瞬間。
「つっ……」
「マルフォイ…!」
ハーマイオニーが「落ちる」と覚悟した身体は、
ドラコの右手に繋がれて、橋の僅か下で揺れていた。
遥か下を勢いよく流れる水の音が聴こえる。
ふと視界を巡らすと、思ったより遠くに川が見えた。
「や…どうしよ…」
「バカ…下を見るな…!」
「でもっ」
「平気だから!…絶対に離すなよ」
どうやら手袋が滑るらしく、ドラコはハーマイオニーの手を掴むのに必死になっていた。
「…あ、杖!」
ハーマイオニーが唐突に思い出して、ポケットを探る。
彼女の身体が大きく揺れた。
「おい、動くな!たぶん、落ちた…っ」
「ウソ!……じゃあ貴方のは?」
「こっちの方が、早い…!」
ドラコはそう言うと、片方の手袋を外して腕を引っ張る。
ハーマイオニーの腰に手を回すと一気に引き上げた。
「「…っ!」」
雪の積もった橋の上に二人で倒れこむ。
「っ…はぁっ…」
息を整えること数秒。
ドラコの上に乗っていたハーマイオニーが慌てて起き上がった。
「あっ、ごめんなさい!」
「いや…」
ドラコは立ち上がってコートに付いた雪をはらう。
ハーマイオニーはそんな彼を見ながらぽつりと言った。
「ね、マルフォイ…」
「何だ」
「あの…」
「何だよ」
「…ありがとう」
「……別に」
ドラコはもう片方の手袋を外しながら、何気なく言った。
「うん…」
ハーマイオニーはふぃと俯く。
ドラコはついさっきまでハーマイオニーを支えていた欄干に手をかけた。
今はその根元がすっかり折れて、大きく外に傾いていた。
「木が腐ってたみたいだな」
ドラコが欄干を少し揺らすと、今度はギシギシと大きな音がした。
「や、危なっ…」
「音がしたような気がしたんだ」
ドラコが川に視線を落として呟いた。
「もっと早く…」
「え?」
小さな言葉が拾えなくて、ハーマイオニーは思わず訊き返す。
するとドラコはハーマイオニーの方を向いて、
「こんな面倒なことはもうごめんだ」
ニヤリと笑った。
「じゃあな。…もう時間切れだ」
手袋をふいと振り、すれ違う。
ハーマイオニーの脇を、ふわりと風が吹いた。
いつも見ていたいやな笑顔だったはずなのに、
ハーマイオニーの心には何か引っ掛かりがあって。
「マルフォイ!」
振り返って呼びかけた。
ドラコはその場で立ち止まる。
「あの、ひとつ訊きたいんだけど…」
「……」
「…どうして助けてくれたの?」
「……」
「ね、マルフォイ…?」
「……」
もう一度声をかけようとしたその時。
「気の迷いだ」
ハーマイオニーに背を向けたまま。
たった一言。
それだけ言うと、ドラコは早足で賑やかな町並みへと続く道を歩いていった。
ハーマイオニーだけが、独りぽつんと、取り残される。
「何よ、それ…」
漆黒の後ろ姿を見つめながら、
「じゃあ何で笑ってくれたの…?」
ぽつりと、小さく呟いた。
**********
(どうして助けたのか、なんて)
「答えられるわけ、ないだろう…」
わからなかった。
なぜ彼女を助けようとしたのか。
わからないけれどあの時。
それまで押し込めていたのもが一気に溢れだしたように、身体が動いた。
思考とは無関係に、そして気付けば手を取っていた。
賑やかさを避けた裏道で、ドラコははたと立ち止まる。
さっき降りだした雪が、ドラコの肩に積もっていく。
ふと、ひとつの答えが頭を霞めた。
それはぼんやりと、しかしかなりの圧力でドラコの心にのしかかる。
認めるわけには、いかない。
わかっている。
だけど。
もう気付いてしまったから。
きっと、止められない。
「…くそッ」
手袋を地面に投げ捨てて、その場に膝をついた。
「なんでだよ…」
すっかり冷たくなった手で顔を覆う。
次に静かに紡ぎだされた言葉は、
白い息と一緒になって雪の中へ溶けていった。
「好きなんだ……」
***Fin.***
Brian Littrell「Angels and Heroes」がモデル。
…よくよく考えると、ずいぶんハーがドラコに優しいですが、
彼女の方もドラコをちょっと意識している…という設定でお願いします笑。
加筆修正あり。
…やっぱりドラコはナルちゃんと被るなぁ。漆黒被り。くふ。
雪が止んだ。
あたりに広がったのは白く染まったホグズミードの町並み。
「はぁぁ…寒っ」
ハーマイオニーは息を吐いたが、それはまわりの白に溶けて消えていった。
ここは店が立ち並ぶ通りから少し外れた所で、人影は全くない。
それがハーマイオニーの心を余計と淋しくさせた。
「ジニーも行っちゃったし…」
一緒に来たジニーは、ついさっきデートの時間だと言って去ってしまった。
「仕方ないわよね」
ハリーとロンは、今日はいない。
こんなときに限って、宿題に追われている。
もう毎回のことだから、今回ばかりは、と二人を置いてきたのだった。
「でもつまんない…」
「珍しいな」
「え?」
聴こえるはずのない独り言への反応に、ハーマイオニーは振り返った。
「マルフォイ…」
そこにいたのは漆黒のコートに身を包んだドラコ。
彼のシルバーブロンドは、白い雪の世界でもよく映えている。
ハーマイオニーは反射的に眉をひそめた。
「珍しい、って何が?」
「独りでいること」
「あぁ……色々あるの。貴方には関係ないわ」
「ふぅん」
それだけで何も言わないドラコに、ハーマイオニーはくぃと首を傾げる。
「貴方こそ珍しい」
「独りでいることか?」
「それもあるけど……口数が少ないわ」
「まぁな、色々あるんだ」
ドラコは俯いて微かに笑う。
「………」
少しの沈黙の後。
ハーマイオニーはくるりと方向転換して、橋へと足を進めた。
欄干に手をかけて、遥か下方を流れる川を追いかける。
キシリ、と小さな音がした。
「…変な感じ」
「何がだ?」
「いつもイラッとするのよ。人を見下したような貴方の笑顔」
「あぁそう」
「でも今日は違う。…そういう顔、出来るとは思わなかった」
「酷い言われようだな。普通に笑う時だってある」
今度はクスリと笑う。
「滅多に見せないけどな」
そう言ってドラコも橋へ歩き出した。
ハーマイオニーが足音に気付いて顔だけで振り向く。
「じゃあ余計に変だわ」
キシリ、という音はドラコの足音にかき消された。
「どうしてそんな顔、マグル生まれの私に見せてくれるのかしら?」
「…それは」
ドラコがためらいがちに言葉を落とし、顔を上げたその時だった。
バリバリッという木の裂ける音。
ドラコの足が止まる。
まるで誰かが時を操る魔法をかけたように。
彼の目の前で、ゆっくりと、ハーマイオニーの身体が傾く。
彼女の身体が、前のめりに倒れていく。
ドラコはそこで状況を理解した。
ハーマイオニーの驚いた顔が橋の下へ消えていく。
次の瞬間。
「つっ……」
「マルフォイ…!」
ハーマイオニーが「落ちる」と覚悟した身体は、
ドラコの右手に繋がれて、橋の僅か下で揺れていた。
遥か下を勢いよく流れる水の音が聴こえる。
ふと視界を巡らすと、思ったより遠くに川が見えた。
「や…どうしよ…」
「バカ…下を見るな…!」
「でもっ」
「平気だから!…絶対に離すなよ」
どうやら手袋が滑るらしく、ドラコはハーマイオニーの手を掴むのに必死になっていた。
「…あ、杖!」
ハーマイオニーが唐突に思い出して、ポケットを探る。
彼女の身体が大きく揺れた。
「おい、動くな!たぶん、落ちた…っ」
「ウソ!……じゃあ貴方のは?」
「こっちの方が、早い…!」
ドラコはそう言うと、片方の手袋を外して腕を引っ張る。
ハーマイオニーの腰に手を回すと一気に引き上げた。
「「…っ!」」
雪の積もった橋の上に二人で倒れこむ。
「っ…はぁっ…」
息を整えること数秒。
ドラコの上に乗っていたハーマイオニーが慌てて起き上がった。
「あっ、ごめんなさい!」
「いや…」
ドラコは立ち上がってコートに付いた雪をはらう。
ハーマイオニーはそんな彼を見ながらぽつりと言った。
「ね、マルフォイ…」
「何だ」
「あの…」
「何だよ」
「…ありがとう」
「……別に」
ドラコはもう片方の手袋を外しながら、何気なく言った。
「うん…」
ハーマイオニーはふぃと俯く。
ドラコはついさっきまでハーマイオニーを支えていた欄干に手をかけた。
今はその根元がすっかり折れて、大きく外に傾いていた。
「木が腐ってたみたいだな」
ドラコが欄干を少し揺らすと、今度はギシギシと大きな音がした。
「や、危なっ…」
「音がしたような気がしたんだ」
ドラコが川に視線を落として呟いた。
「もっと早く…」
「え?」
小さな言葉が拾えなくて、ハーマイオニーは思わず訊き返す。
するとドラコはハーマイオニーの方を向いて、
「こんな面倒なことはもうごめんだ」
ニヤリと笑った。
「じゃあな。…もう時間切れだ」
手袋をふいと振り、すれ違う。
ハーマイオニーの脇を、ふわりと風が吹いた。
いつも見ていたいやな笑顔だったはずなのに、
ハーマイオニーの心には何か引っ掛かりがあって。
「マルフォイ!」
振り返って呼びかけた。
ドラコはその場で立ち止まる。
「あの、ひとつ訊きたいんだけど…」
「……」
「…どうして助けてくれたの?」
「……」
「ね、マルフォイ…?」
「……」
もう一度声をかけようとしたその時。
「気の迷いだ」
ハーマイオニーに背を向けたまま。
たった一言。
それだけ言うと、ドラコは早足で賑やかな町並みへと続く道を歩いていった。
ハーマイオニーだけが、独りぽつんと、取り残される。
「何よ、それ…」
漆黒の後ろ姿を見つめながら、
「じゃあ何で笑ってくれたの…?」
ぽつりと、小さく呟いた。
**********
(どうして助けたのか、なんて)
「答えられるわけ、ないだろう…」
わからなかった。
なぜ彼女を助けようとしたのか。
わからないけれどあの時。
それまで押し込めていたのもが一気に溢れだしたように、身体が動いた。
思考とは無関係に、そして気付けば手を取っていた。
賑やかさを避けた裏道で、ドラコははたと立ち止まる。
さっき降りだした雪が、ドラコの肩に積もっていく。
ふと、ひとつの答えが頭を霞めた。
それはぼんやりと、しかしかなりの圧力でドラコの心にのしかかる。
認めるわけには、いかない。
わかっている。
だけど。
もう気付いてしまったから。
きっと、止められない。
「…くそッ」
手袋を地面に投げ捨てて、その場に膝をついた。
「なんでだよ…」
すっかり冷たくなった手で顔を覆う。
次に静かに紡ぎだされた言葉は、
白い息と一緒になって雪の中へ溶けていった。
「好きなんだ……」
***Fin.***
Brian Littrell「Angels and Heroes」がモデル。
…よくよく考えると、ずいぶんハーがドラコに優しいですが、
彼女の方もドラコをちょっと意識している…という設定でお願いします笑。
加筆修正あり。
…やっぱりドラコはナルちゃんと被るなぁ。漆黒被り。くふ。