思うがままにつづったこころの中。その2
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それが二人の在り方
「ハーマイオニーってさ」
朝食の大広間。
喧騒の中で唐突に話を振られて、ハーマイオニーはハリーの方を振り返った。
「何?」
「いや、大したことじゃないんだ」
「言ってみなさいよ」
ハーマイオニーがそう促すと、ハリーは少し躊躇った風で言った。
「じゃあ言うけど……何でマルフォイにしたの?」
「…は?!」
ハリーの口から思いがけない人物の名前が発せられて、
ハーマイオニーはかぼちゃスープにむせてしまった。
慌ててその背中をハリーがさする。
「あ…っと、ごめん!」
「え、ええ…大丈夫よ。
…で、今更どうしたのよ。ドラコのことなんて」
「そうだな…じゃあ単刀直入に言わせてもらうけど…」
「ええ」
「例えばさ…マルフォイって『I love you』とか言うことあるの?」
「…は?!」
ハーマイオニーの顔がポッと音を立てたように赤くなって、
本日二度目の驚きの言葉を発する。
「ちょっ、何てこと言うのよ、急に…っ」
「あ…だから大したことじゃないって言ったろ。
だからさ、マルフォイはあんまりそういう事言わなさそうだろ?
それでもハーマイオニーは平気なんだなぁ…なんて」
ますます赤くなったハーマイオニーに、「アハハ、あんまり気にしないで」と笑いかけて、
ハリーは一足先に(クィディッチの練習があるからなんだけど)大広間を出て行った。
「びっくりした…」
その後ろ姿を見送りながら、ハーマイオニーは大きな溜め息をついた。
一番向こうのテーブル、グリーンのネクタイの集団の中で
一際目立つプラチナブロンドを探す。
(確かにそういうことは言わないけどね…)
ハーマイオニーの目に映った彼は、他のスリザリン生に紛れてニコリとも笑わなかった。
**********
「ドラコー!!」
「………」
ドラコは背後から飛んでくる黄色い声に応えようとしない。
「何よ、一言ぐらい言ってよね」
無視されたパンジーはふてくされながらも、早足で先を行くドラコの腕に飛びついた。
そこでドラコはやっとパンジーの方を向いた。
「やめろ」
ドラコは嫌そうな顔で言うが、彼の歩みが止まったのを良いことに
パンジーはドラコの腕にしがみついて言う。
「いいでしょ。グレンジャーにはもっと触らせてるくせに」
「…何が言いたい」
「あんな女、ドラコには合わないわ。
口は立つし、いっつもポッターと一緒にいるし…だいだいマグル生まれだし!」
ハーマイオニーの話になって、ドラコは溜め息をつく。
自分の腕からパンジーを引き剥がした。
「もういい」
「ドラ…」
「悪いが僕も忙しいんだ。
ハーマイオニーのことをあれこれ聞いている時間はない」
「え、ちょっと、ドラコ!」
なにやら叫んでいるパンジーをそのままに、ドラコは大広間へと足を速める。
ドアを開け、グリフィンドールのテーブルに目を走らせた。
(確かに口の立つヤツだが…)
真っ先に見つけた鳶色は、
また何かやらかしたらしいハリーとロンを怒鳴りつけていた。
**********
そして今、二人の姿は月明かりの中庭にある。
「ね、ドラコ」
「うん?」
ハーマイオニーの問いかけに、ドラコは髪を梳いていた手を止めて応える。
「あっ…いえ、何でもないわ」
ハーマイオニーはドラコの目から顔を逸らして早口で言った。
「…何かあった?」
「いいえ、本当に何でもないから。気にしないで」
「そうか?…ならいいけど」
ドラコは再びハーマイオニーの髪を手に取ると、唇を落とす。
その奇妙な感覚にハーマイオニーは顔を赤らめた。
「すぐ赤くなるんだな」
ドラコはそんな彼女を見てクスリと笑い、そっと額に口付けた。
ハーマイオニーは思わず身を竦める。
「だって…」
「おまけにあのうるさい口は何処に行ったんだか」
「う、うるさいって何よ!」
焦って身を引くハーマイオニーの顔をクイッと引き寄せると、
「でもそういう所、嫌いじゃない」
ドラコは耳元でそう囁いて、軽く触れるだけのキスをした。
(確かに口の立つヤツだが…僕の前だと喋れなくなるらしい)
(確かに『I love you』なんて言わないけど…私だけに笑顔を見せてくれるのよ)
それが、二人の、在り方----------。
***Fin***
お題、ですね。
ドラコは「I love you」なんて言わないだろうなー…というイメージから出来たお話。
それでも幸せなんだよー、つって。
「ハーマイオニーってさ」
朝食の大広間。
喧騒の中で唐突に話を振られて、ハーマイオニーはハリーの方を振り返った。
「何?」
「いや、大したことじゃないんだ」
「言ってみなさいよ」
ハーマイオニーがそう促すと、ハリーは少し躊躇った風で言った。
「じゃあ言うけど……何でマルフォイにしたの?」
「…は?!」
ハリーの口から思いがけない人物の名前が発せられて、
ハーマイオニーはかぼちゃスープにむせてしまった。
慌ててその背中をハリーがさする。
「あ…っと、ごめん!」
「え、ええ…大丈夫よ。
…で、今更どうしたのよ。ドラコのことなんて」
「そうだな…じゃあ単刀直入に言わせてもらうけど…」
「ええ」
「例えばさ…マルフォイって『I love you』とか言うことあるの?」
「…は?!」
ハーマイオニーの顔がポッと音を立てたように赤くなって、
本日二度目の驚きの言葉を発する。
「ちょっ、何てこと言うのよ、急に…っ」
「あ…だから大したことじゃないって言ったろ。
だからさ、マルフォイはあんまりそういう事言わなさそうだろ?
それでもハーマイオニーは平気なんだなぁ…なんて」
ますます赤くなったハーマイオニーに、「アハハ、あんまり気にしないで」と笑いかけて、
ハリーは一足先に(クィディッチの練習があるからなんだけど)大広間を出て行った。
「びっくりした…」
その後ろ姿を見送りながら、ハーマイオニーは大きな溜め息をついた。
一番向こうのテーブル、グリーンのネクタイの集団の中で
一際目立つプラチナブロンドを探す。
(確かにそういうことは言わないけどね…)
ハーマイオニーの目に映った彼は、他のスリザリン生に紛れてニコリとも笑わなかった。
**********
「ドラコー!!」
「………」
ドラコは背後から飛んでくる黄色い声に応えようとしない。
「何よ、一言ぐらい言ってよね」
無視されたパンジーはふてくされながらも、早足で先を行くドラコの腕に飛びついた。
そこでドラコはやっとパンジーの方を向いた。
「やめろ」
ドラコは嫌そうな顔で言うが、彼の歩みが止まったのを良いことに
パンジーはドラコの腕にしがみついて言う。
「いいでしょ。グレンジャーにはもっと触らせてるくせに」
「…何が言いたい」
「あんな女、ドラコには合わないわ。
口は立つし、いっつもポッターと一緒にいるし…だいだいマグル生まれだし!」
ハーマイオニーの話になって、ドラコは溜め息をつく。
自分の腕からパンジーを引き剥がした。
「もういい」
「ドラ…」
「悪いが僕も忙しいんだ。
ハーマイオニーのことをあれこれ聞いている時間はない」
「え、ちょっと、ドラコ!」
なにやら叫んでいるパンジーをそのままに、ドラコは大広間へと足を速める。
ドアを開け、グリフィンドールのテーブルに目を走らせた。
(確かに口の立つヤツだが…)
真っ先に見つけた鳶色は、
また何かやらかしたらしいハリーとロンを怒鳴りつけていた。
**********
そして今、二人の姿は月明かりの中庭にある。
「ね、ドラコ」
「うん?」
ハーマイオニーの問いかけに、ドラコは髪を梳いていた手を止めて応える。
「あっ…いえ、何でもないわ」
ハーマイオニーはドラコの目から顔を逸らして早口で言った。
「…何かあった?」
「いいえ、本当に何でもないから。気にしないで」
「そうか?…ならいいけど」
ドラコは再びハーマイオニーの髪を手に取ると、唇を落とす。
その奇妙な感覚にハーマイオニーは顔を赤らめた。
「すぐ赤くなるんだな」
ドラコはそんな彼女を見てクスリと笑い、そっと額に口付けた。
ハーマイオニーは思わず身を竦める。
「だって…」
「おまけにあのうるさい口は何処に行ったんだか」
「う、うるさいって何よ!」
焦って身を引くハーマイオニーの顔をクイッと引き寄せると、
「でもそういう所、嫌いじゃない」
ドラコは耳元でそう囁いて、軽く触れるだけのキスをした。
(確かに口の立つヤツだが…僕の前だと喋れなくなるらしい)
(確かに『I love you』なんて言わないけど…私だけに笑顔を見せてくれるのよ)
それが、二人の、在り方----------。
***Fin***
お題、ですね。
ドラコは「I love you」なんて言わないだろうなー…というイメージから出来たお話。
それでも幸せなんだよー、つって。
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