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思うがままにつづったこころの中。その2 + あらゆるジャンルの二次Novel。まずはお知らせをチェック!
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 僕らが出会ってからの5年間。君のその無防備な行動に何度惑わされたことか、それが僕の心をどれだけ掻き乱しているか、きっと君は気づいていないだろう。
 その証拠にほら、君はまた僕の目の前でそんな振舞いをする……。
 
「ロン、凄いわ!」
「わっ、ちょ、ハーマイオニー!」
「無失点に抑えるなんて流石ね!」
 グリフィンドールの勝利に終わったクィディッチの興奮冷めらやないフィールド内で、背後に愛しい声と大嫌いな声の組み合わせを聞いてしまった。寮へ戻るはずの足は止まり、知らず眉間にしわが寄る。あの声の跳ねる感じ、赤毛の慌てた反応、不愉快になると頭では分かっていたが、振り返って確認せずにはいられなかった。
「……またか、あの女」
 予想通りの光景。髪の毛と同じ色に染まったウィーズリーの顔と、その少し下に埋まったふわふわの髪。本当は今すぐ二人の間に割って入りたかったが、視線を無理やり剥がして唇を噛みしめた。この1年で学んだのだ。このまま行ったら思ってもいない言葉までグレンジャーにぶつけてしまうと。だから動けなかった。
 ふぅ、と気持ちを落ちつかせるように息を吐く。視界の隅で栗色の髪が赤毛から離れたのを捉えた。反射的に顔を上げると、グレンジャーと目がかち合った。僕の視線から何かを感じ取ったのかもしれない、あ…、と小さくあげた声がざわめきの中でも確実に僕の耳に届いた。
 そのまま僕の元に来てくれればよかったのに。彼女はそうしなかった。ウィーズリーと僕を交互に見て困ったような表情をするグレンジャーに、イライラが募っていく。彼女が行動を起こす前に、ふいと背を向けて歩き出した。
「あ……ロン、ごめんなさい、また談話室でね」
 そんな声が聞こえて僕は更に歩みを速めた。自分の名前を呼ぶ声が聞こえたが、立ち止まりはしなかった。最初に呼んではくれないのか、なんて些細なことでイライラする自分に舌打ちした。
 
「マルフォイ!」
 寮に一番近い城の入口で、ぐいっとローブを引かれた。周囲に人影がないことを確認して振り返ると、走って来たらしく息を切らすグレンジャーの姿があった。
「何か?」
 はぁ、と一つため息をついて冷たく返した言葉に、グレンジャーの瞳がふるると揺らぐ。
「何か……って、聞きたいのはこっちよ。何怒ってるの?」
「別に怒ってない」
「……ロンのこと?」
 今一番聞きたくない名前を、しかも後ろめたそうに言うグレンジャーにピクリと眉毛が上がる。そんな僕の反応を見ると、少し躊躇ってからグレンジャーは話し出した。
「……あのね、貴方ならわかってくれるでしょう? 私はグリフィンドール生なの。自分の寮の勝利で盛り上がるのは当然だし、それに一役買ったのはロンよ。上がり症の彼があそこまで力を出したんだから……うんと褒めて自信をつけさせたかったの」
 あぁもう、それ以上言うな。寮の隔たりを今さら実感させるのも、ウィーズリーについて君の口から語るのも、そしてそれを言い訳のように並べたてるのも、全部やめてくれ。僕が腹を立てている直接の原因は違うのだから、余計なことを言って更に僕の冷静さを奪わないでくれ。
 だけど次に発したグレンジャーの言葉に、とうとう我慢できなくなった。
「それに…ロンは親友だもの」
 
 
 

そんな無邪気にれないで

(君にふさわしいのは、僕じゃない)


**********
えーっと、続きます。でも次で終わります。
一応6年生設定捏造。ドラハはすでに恋人です。
最近ドラハばかり増えますねー。でもやっぱりこの組み合わせ大好きです。
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